メッセージ

2021.6.10

「DER活用拡大に向けて:DER価値評価ツールの開発と利用」

浅野 浩志
(一般財団法人電力中央研究所 研究アドバイザー / 東海国立大学機構岐阜大学高等研究院 特任教授)

スマートレジリエンスネットワーク(SRN)は、分散型蓄電池やEV充放電装置などDER(分散型エネルギー資源)を活用して、DER保有者のエネルギーマネジメントの便益(コスト削減、GHG排出削減、BCP向上)に加えて、地震・風水害など大規模災害時にDERを保有していない住民も含めて、社会全体の安心感を高めることに貢献します。

そのためにはまず普及初期段階にある蓄電池システムやEV/PHVなどを本格普及させる必要があり、製品システムの価格低下に加えて、BCP・レジリエンス向上など多様な便益を可能な限り定量的に評価し、多くのユーザ・サービスプロバイダー等が投資可能とすることが必要です。本ネットワークがイニシアティブを発揮し、幅広い立場・業種の会員に加えて、関係する学協会や公的機関と連携し、使いやすいDER価値評価ツールを開発し、広くオープンに利用できる環境を整備することが重要ではないでしょうか。

SRNは、今後普及拡大していくDERを社会全体で活用するエネルギー付加価値サービスを事業化すると同時に、自治体等関係団体と密接に協力して、DER活用プラットフォームを災害時の停電復旧プラットフォームなどと連携し、情報共有することによって人々が安心して暮らせる社会の構築においても先導する役割に大いに期待しています。